Vision Pro体験の観察

記録者:森田(観察者)
形式:体験後のボイスメモ(一人語り)
場所:Apple Store 川崎
被観察者:鴨下りんとさん


1. 入店前:メガネを外すという判断

今日のApple Store川崎での、鴨下りんとさんのVision Pro体験の観察を録音します。

まず鴨下さんは、Apple Storeに入る前にメガネを外してしまいました。森田は「そのままかけて入った方が、メガネを使っている人だということが相手に伝わって、対応してもらえるのではないでしょうか」とお伝えしたのですけれど、鴨下さんは、Webでの予約の際に「プリズム入りのメガネを使っている人は対応できません」という表示が出て、最初は予約ができなかったため、そのことを隠していた方がいいのではないかとご本人は思ったようです。メガネは隠して入店しました。

2. 入店・サイズ測定

予約していることを告げると、入り口のところにいたお兄さんがすぐに席に案内してくれました。待っていると、担当になった女性の方が、まずサイズの測定をします、ということで、専用のiPhoneの画面の操作に従って顔を動かすことで頭のサイズを測定し、頭のサイズに合ったVision Proを用意して、体験が始まりました。

3. キャリブレーションの失敗(1〜4回目)

体験を始めてキャリブレーションを始めたのですが、まずVision Proがうまく頭の上に安定せず、位置がなかなか決まりませんでした。そのため、そもそもキャリブレーションの際のポインターが画面上で見えない状態が続きました。キャリブレーション自体は最後まで進んだのですが、結果的にはVision Pro側で「キャリブレーションに失敗しました」となり、起動することができず、動かす指の位置を調整したりもして、クリックがうまくできないのではないかということで、操作をやり直したり——をしながら3回試しましたが、3回ともキャリブレーションは失敗しました。

お姉さんが別の方を呼びに行き、もっと詳しい男性の方がいらして、Vision Proの取り付け方をもう一度最初からやり直しました。姿勢を試したり、腕を前に伸ばしたりして、「もっと背筋をまっすぐにしてください」という指示をされたりしました。

取り付けと操作姿勢の調整後の4回目は割と早く最後まで終わったのですが、それでもやはりキャリブレーションに失敗してしまい、男性の方が言うには「もうVision Proを交換するしかない」ということになりました。

4. メガネの発見と、専用レンズでの成功(5回目)

本体を交換することになって一旦外したのですが、新しいものを用意して再度やることになった際に、りんとさんの手元にメガネがあることに、その男性の方——女性の方だったかもしれません【要確認】——が気がつきました。「メガネを普段お使いなんですか」「そのメガネをちょっとお借りしてもよいでしょうか」と、丁寧に布に包んでメガネを持って行き、店内にあるメガネのレンズを測定する機械にかけて、レンズの仕様を読み取って、Vision Proの中にセットするレンズを改めて装着したものを用意してくれました。それで再度キャリブレーションをやり直したところ、うまくいきまして、体験に入ることができました。

その際、Apple Storeの方たちはとてもフレンドリーな様子で、何度も失敗して時間がかかってしまうことに対して軽く謝罪を伝え、楽しく体験ができるように気を使っていること(それ自体)も分からないようにしてくれていました。

その調整したレンズが入ったVision Proは、さらに詳しい方が持ってきてくれて、装着して、今度はその方が「実際にどうですか」と、装着している状態と最初の見え方を確認しながら進めて、キャリブレーションが成功した、ということです。

5. デモ体験(予定30分 → 約1時間半)

そこからは普通のデモが始まって、一つ一つ、写真を見て、動画を見て、3D動画を見て、イマーシブの説明を受けて、アプリケーションの操作をして、仮想のキーボードを自分で操作して、YouTubeを検索して動画を見て——ということをあれこれとやることができました。りんとさんはしばらく、担当の女性の方と一緒に目の前で指を動かして、スワイプやスクロール、拡大縮小などの操作のやり方を練習しました。そして、本来であれば30分で終わるはずだった体験が、1時間半ぐらいかけて終わりました。

6. 鼻血と手当

Vision Proを外したところ、りんとさんが鼻血を出してしまい、とっさに森田がティッシュを用意して、こよりを作って止血を行いました。あちこちに飛び散った血をウェットティッシュできれいに拭き取りました。こよりが外れてまた血が出てしまい、服にも血がついてしまったので、服の血を落としたりしつつ、再度こよりを作って止血しました。口の周りや手・手のひらが真っ赤になっていて、ご自分ではうまく取れなかったので、森田がウェットティッシュでぬぐってきれいにし、ゴミを全部まとめました。森田は福祉の関係者なので、ウェットティッシュや、使ったものを入れるロール状のゴミ袋などを常時持ち歩いており、その中にしまって事なきを得ました。

その間、Appleの方たちはそっと見守っていて、「何かあったら何でも言ってください」という声かけをしてくださっていました。落ち着いたところで担当の女性の方が「しばらくこちらで休んでいて大丈夫ですよ」と言ってくれて、店内で血が止まるまで休むことになりました。

7. りんとさんの様子と、体験後の会話

りんとさんはずっと微妙な表情——ニコニコしているのかしていないのか、中間ぐらいの表情——でスタッフの対応に「すいません」と謝ったりしていて、「いえいえ、全然気にしないでください」と言われていました。(この「すいません」は鼻血のことではなく、キャリブレーションがうまくいかないことについてです。)

りんとさんがメガネを外して入店したことで、メガネのことがAppleの方に伝わらなかったことについて、森田は鼻血の手当の後に少しだけお話をしました。「プロフェッショナルな方に情報をちゃんと提供しないと、対応に時間がかかってしまうこともあるかもしれない」というお話です。

りんとさんは終始そのペースというか、周りからは分かりにくい状態をキープしていて、あまり感情を表に出すことはなく、ニコニコしているのかしていないのか分からない感じで過ごしていました。緊張していたのかもしれませんが、普段おしゃべりしている時とは少し様子が違っていました。

りんとさんは白っぽい服——ベージュというのか、薄い生成りのようなオーバーサイズのシャツとダブダブのズボン——を着ていて、鼻血の赤い色が目立つ感じだったので、森田がアルコール入りのティッシュで何度もこすって、遠目にはわからないぐらいまで落としてきれいにしました。りんとさんはその際も「白っぽいの着てきちゃった、赤い服を着てくればよかった」などと、申し訳ないというか、冗談で返しているのか、という感じでお返事をされていました。それで、しばらく店内で休んでから、店を出ました。というのが、観察していた状態です。

8. 操作の詳細(デモ中)

実際のデモの間は、やはり操作のやり方について何度もご説明を受けていました。指を空中で動かして、指と指を合わせることでクリックする動作、また「つまんで引っ張る」動作——クリックしたまま指を動かしていく、指を合わせてクリックして引っ張っていくような操作——が最初はなかなか飲み込めず、担当の女性の方が何度も一緒にやってくれていましたが、最後の方はご自分で自由に操作できるようになっていました。

音量の調整はうまくできなかったようで、Apple Storeの体験用の特別なiPad(通常のVision Proには付属しないコントロール用のもの)で担当の方に何度も調整してもらっていましたが、最後まで音量は合わなかったようです。

それから、りんとさんがご自分で操作をして、Vision Proの設定からVoiceOverを起動したところ、戻すことができなくなってしまい、最終的には担当の女性の方にお願いして解除してもらっていました。その際、森田には音が聞こえなかったので、どういう状態になっていたのかは(分かりません)——読み上げの状態ですね。りんとさんは普段読み上げを使われているそうなので、その設定をVision Proでもやってみようと思ったのだと思うのですが、りんとさんが普段使っているのはVoiceOverではなくテキスト読み上げで、実際には思う通りに読み上げの設定はできなかったようです。

9. 写真撮影

りんとさんが「写真を撮ってほしい」と森田に言い、Apple Storeの方も「もちろんです」と快く応じてくれたので、写真やビデオの撮影はしました。

10. 総括的な観察

Appleの人たちが、とにかく体験する側に何か問題があるかもしれないということには一切触れずに、体験がスタートできるように最善の方法を検討していた姿が印象に残りました。

また思い出したら追記したいと思いますが、とりあえず観察できたのはそういうことです。以上です。


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