横浜国際プール ― 愛した人が名指した「傷」の一覧

「愛された対象の一覧」の裏面。185の愛の声(メインアリーナ欄)の中から、同じ人が同じ息で漏らした施設の痛み・不具合・不便を拾い、重複をまとめた。嫌いだから言う傷ではなく、好きだからこそ気づいた傷。row=集計データ行番号。他施設(相模原・平塚など)の不便を述べたものは除外した。


  • 老朽化(それでもまだ使えるという抗弁つき) ―― 「老朽化と言われればそうだが、まだまだ現役続行できる」「メンテナンスをすればまだ使える」(row2310, 2076)。廃止の理由に挙げられた老朽を、愛する人が認めつつ反論している。

  • 床転換の無駄・年2ヶ月の休館 ―― 「毎年5千万円かけ、2ヶ月も使用休止」「春秋に計2ヶ月の床転換期間があり冬は使えない、非常に残念な利用形態」(row206, 1637)。長水路が通年使えないこと自体が、愛用者にとっての傷だった。

  • 床転換装置の故障 ―― 「床転換装置が壊れて水深2mにしていると聞いた、どうなっているのか」(row3056)。設備が現に壊れている、という具体的な痛み。

  • 北山田駅からの長い階段(アクセス) ―― 「最寄りの北山田駅までが長い階段のみ」「駅からのアクセスの悪さは高齢者の利用の阻害要因」「アクセスをもっと良くすればプール利用も増える」(row2030, 3033, 2554)。たどり着く前に試される身体。

  • 段差の多さ・危険な箇所 ―― 「段差も多く、小さな子供や高齢者、初めて来場する人に危険な箇所が複数ある」(row148)。愛着(明るく広々)を語った同じ人が名指す危険。

  • サブプールは「階段ばかり」 ―― 「階段ばかりのサブプール、大変です」(row1768)。残される側の施設への、身体からの不満。

  • 1階席のパイプ椅子・見にくさ ―― 「1階席はパイプ椅子で段差の高低差が低く、前に座る人によっては観戦しにくい」(row148)。

  • サブプールの観客席が少なく、プールサイドが狭い ―― 「観客席350程度で少なく、プールサイドの幅が狭い」「サブの観客席数ではメインの代替にならない」「サブの席が少なすぎる」(row2096, 3033, 1832)。代替とされるサブの、器としての不足。

  • 席数不足でチケットが取れない(アリーナとして) ―― 「席数が少なくチケットが取りにくく価格も上がる」「完売で見に行きたい人全員が来られない」(row364, 1390)。バスケファンの愛が名指す、器の限界。

  • 常設の売店がなく「仮設感」 ―― 「常設のグッズ売り場やフードショップも作れず、どうしても仮設感がある」(row364)。

  • ロッカールームの見劣り ―― 「ロッカールームをプロ選手が気持ちよく使える場所にしてあげてほしい」(row49)。

  • トイレの配置 ―― 「トイレは増設し、各席からの距離が短くなるよう配置してほしい」(row2689)。

  • 真夏の暑い階段(ただし愛と一体) ―― 「真夏の暑い中、あの階段を登った先にあるワクワク感を後世にも繋いでほしい」(row2853)。傷(暑さ・階段)と高揚が分かちがたく同居する例。


愛の一覧が20項目、傷の一覧は13項目。傷を語ったのは、施設を残したいと願う同じ人たちである。中には、廃止の根拠に使われた「老朽化」「床転換の無駄」を、愛しながら認めてしまっている声もある。好きだからこそ、この場所の痛みにいちばん正直だった。

※この一覧は「声の壁メインアリーナ.md」の185件を母集団としている。全3,099件から拾った傷の全体(394件)は、分析ファイル「横浜国際プール問いの四象限.xlsx」の〈傷 全件(遡行用)〉シートにある。


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