40年以上の歳月をかけて開発された港北ニュータウン、北山田駅
最寄駅のグリーンライン北山田駅(きたやまたえき)の屋根上には、2008年3月の開業を祝った時計台があり「さくら時計」と呼ばれている。駅前から横浜国際プールに向かい、「光の階段」(駅から続くゆめあい歩道橋上から117段、歩道橋下から158段)を上がっていくと、正面に小さな丘が現れる。この丘は「展望広場」と呼ばれ、左右にある17段の階段を登ると北山田周辺を見渡すことができる。
横浜国際プールの東西南北を囲む「回廊」(コリドー)
その奥に見えるメインプール西側の64段ある階段の右側には池の水が流れ落ちる水路が作られ、「水の回廊」(Water Corridor)と呼ばれている。現在水は流れていない。
展望広場には「のぞみ橋」という小さな陸橋がかかっていて、両サイドに木が植えられた「花の回廊」(Flower Corridor)がメインプール南側を通っている。花の回廊を出てメインプールの東側を北側に向かうと、普段は閉鎖されている関係者用の駐車場があり、その上に位置するメインプールの東側には、格子状の屋根を支える円柱が等間隔に並んでいて、正面から見ると長い通路に四角い額縁が等間隔に並んでるように見える「風の回廊」(Breeze Corridor)がある。オブジェの間には痛んだ木のベンチが置かれている。
敷地の北側(エントランス側正面)から入ると向かって左側が等間隔に木が植えられた「森の回廊」(Forest Corridor)。そして、エントランス前の円形広場が「霧の回廊」(Mist Fantasy Corridor)と名付けられている。エントランス右側にはサブプールがあり、そのサブプール西の緑地を見下ろす側に位置する通路が「記憶の回廊」(Memory Corridor)だが、大会開催中で門が閉まっていた。
横浜国際プール西側に広がる緑地と「庭」(セラピーガーデン)
メインプール西側には斜面になった芝生エリアがある。この場所は「水浄の庭」(Aqua Therapy Garden)と呼ばれ、大きな白いオブジェが置かれている。周囲を探したがこの作品の説明パネルは見当たらなかった。庭自体も水の回廊のつつじの植え込みに隠されていて、立ち入る人はほとんどいない。
横浜国際プールの西側に広がる緑地には、北から、「陽だまりの丘」「シバ桜の丘」「竹林の庭」「富士見が丘」「森の小道」「風の丘」「桜の庭」と名付けられたエリアがあり、南側正面の「花のカスケード」「光の階段」へとつながっている。竹林は「林浴の庭」(Forest Therapy Garden)と呼ばれ、特定非営利活動法人日本の竹ファンクラブが管理を委託されている。毎年「竹灯籠まつり」が開催されている。
多目的コートの南側が「香の庭」(Aroma Therapy Garden)、トレーニングルーム前の円形の緑地が「瞑想の庭」(Mind Therapy Garden)と名付けられている。林浴の庭以外は、名前を表示するプレートの文字とマップがほとんど消失した台座だけが残っている状態で、庭(Therapy Garden)として手入れがされている様子はなく、瞑想の庭にはロープが張られている。
緑地の入り口にある木の道しるべ(腕木式道標)には、「香りの庭」「天空の広場」という名前も刻まれている。それぞれ「香の庭」「展望広場」のことを指していると思われる。
この緑地の西側には道路を挟んで「山田富士公園」が広がっている。
「光の階段」と「花のカスケード」
北山田駅からの「光の階段」は、駅前の車道にかかる「人逢歩道橋」(ひとあいほどうきょう)とそこから続く「夢逢歩道橋」(ゆめあいほどうきょう)を通って登っていくと117段ある。2万株のツツジが植えられた「花のカスケード」の中をジグザグに進む左右の階段も117段で、途中の踊り場に椅子が1脚ずつ置いてある。
夢逢歩道橋の下を通る2.7kmの緑道「ふじやとのみち」から夢逢歩道橋に登るのに41段あり、光の階段を展望広場まで登ると合計で158段になる。
ここは横浜でも有名なツツジの名所である。
光の階段をはじめ、横浜国際プール敷地周囲の境界の管理は、地域の有志の人たちと協力して行われている。
横浜国際プールを彩る3つのモニュメント
1. 『天秘(てんぴ)』—— 人が触れ、寄り添う大理石
- 制作者:安田 侃(やすだ かん)氏
- 設置場所:水の回廊のツツジの植え込みの奥にある「水浄の庭」(アリーナ南西側の芝生広場)
- 仕様:イタリア産白大理石(高さ290cm × 幅200cm × 奥行95cm、重さ約8トン)
- 解説: メインアリーナの持つガラスと金属の硬質で巨大な現代建築を背景に、人々が憩う芝生の緑の中に佇んでいます。一見すると圧倒的なボリューム感を持つ抽象彫刻ですが、ただ鑑賞するためだけのものではありません。「直にさわったり、寄りかかったりできる」自然石(大理石)特有の温もりを湛えており、訪れた市民や子供たちが肌で芸術を感じられるように設計されています。
2. 『SWIM(スイム)』—— 光と水、金属の軽快な鼓動
- 制作者:木戸 修(きど おさむ)氏
- 設置場所:サブプール正面エントランス、1階メインロビーから見渡せる中庭
- 仕様:ステンレス鏡面仕上げ(厚さ3mm、本体800kg、台座400kg)
- 解説: メインロビーにある高さ5m、幅22mという圧倒的なガラスの大開口部を通して、美しく見えるように配置されています。館内外の多様な角度からの視線を計算して造られており、スポーツ施設にふさわしい「軽快でリズム感のある動き」を想起させるらせん状の美しいデザインが特徴です
。中庭の上空から降り注ぐ太陽の光を、職人の手による目の細かいステンレスの鏡面が美しく照り返し、きらめく「水」のイメージを増幅させています。
3. 『イルカの歌を聴いたか』—— エントランスを海にする光と波の柱
- 制作者:喜井 豊治(きい とよはる)氏
- 設置場所:2階正面エントランスホール(屋根を支える4本の巨大柱)
- 仕様:大理石・ガラスモザイク(柱の直径90cm、高さ4〜8m)
- 解説: 白のトーンで統一された無機質なエントランスホールを、一瞬で「格調高く、透明感あふれる海の空間」へと変貌させるモザイクアートです。特殊なガラス張りの空間特性を活かし、夜間や外から敷地にアプローチする際にも美しく輝く柱が見えるよう演出されています。 作家の喜井氏は、この空間全体を「光に満ちた透明な空間」と捉え、「光にきらめく波」を大理石とガラスの細かなモザイクで描き出しました。
- 【制作者・喜井氏がこの作品に寄せた詩】「海は命を育み、生き物たちの歌を私たちに届けてくれる。 どこまでも澄んだ水が、日の光を反射する。 波打ち、渦巻き、逆巻く波は海の息吹。 海は生きている。生きている限り、新たな命を育んでくれる。 きれいな水を守るのは誰だ。」