横浜市議会議事録に基づく「室内水泳競技場」整備の歴史(平成10年まで)

1. 新設への基本構想と国体に向けた始動(1991年〜1992年:平成3年〜4年)

  • 1991年(平成3年)秋頃:国体に向けた構想と用地選定の開始
    • 老朽化した野毛山公園プール(昭和24年第4回国体会場)では平成10年の国体に耐えられないことを背景に、新たなプール(水球、シンクロ等の会場)を整備する必要性が生じる。
    • 国内外の公式競技大会が可能な「室内水泳競技場」の建設を計画。当時は市民局等により基本構想を策定中であり、市内における競技施設のバランス配置、交通の利便性、地域の魅力づくりの核施設とする観点から、用地の選定を鋭意進めていることが答弁された。
  • 1992年(平成4年)春頃:国際文化都市にふさわしい施設づくりへの要望
    • 広島市や名古屋市で相次いで完成した室内水泳競技場に触れ、国際文化都市横浜にふさわしく国際大会が頻繁に開催されるような有数の施設にしてほしいという要望が市議より出される。同時に、競技だけでなく一般市民も気軽に健康増進等で利用できるような方策も求められた。

2. 用地選定の難航と断念、港北ニュータウンへの急展開(1993年:平成5年)

  • 1993年(平成5年)中:磯子区「根岸プール」改築計画の断念
    • 当初、市は国体の水泳競技会場として、磯子区根岸プールの3ヘクタールの敷地を利用した全面改築を計画していた。
    • しかし、周辺住民から同年6月および9月の定例会に「根岸プールの存続」を求める請願が連続して提出され、改築に対する住民の反対運動が急激に高まった。
    • 議会では多数で不採択とされたものの運動は収まらず、市側は1993年12月に根岸プール改築計画の断念を公式に表明せざるを得なくなった。
  • 1993年(平成5年)12月:港北ニュータウンへの急転直下の計画変更とスペック具体化
    • 根岸計画の断念に伴い、急展開で新たな適地として「港北ニュータウン地区」に室内水泳競技場を建設する計画へ変更される(1994年12月までに正式決定)。
    • 施設スペックとして、国際公認の50mメインプール(メインアリーナ)と飛び込みプール、国内公認の50mサブプール、観客席は3,500席以上、駐車場300台以上を整備する予定が示された。
    • リハーサル大会のスケジュール変更:用地の急な変更により、当初予定していた前年(平成9年)中の国体リハーサル大会(プレ大会)の開催が建設スケジュールの上で困難となったため、国体開催年(平成10年)の6月、7月頃に実施する方向で関係団体と調整中であることが明かされた。

3. 着工に向けた設備請負契約と本格建設(1995年:平成7年)

  • 1995年(平成7年)春頃:建設スケジュールと大会誘致への展望
    • 330万の大都市でありながら公式競技ができる室内の水泳競技場がない不便さを解消し、国体にとどまらず「国際都市横浜」「コンベンションシティー横浜」にふさわしいスポーツ拠点として国際級の大会に対応できる施設にすべきとの質問に対し、高秀市長は「平成7年度後半に建設に着手し、10年度当初の竣工、開設を予定している。大規模な誘致活動も積極的に取り組む」と答弁した。
  • 1995年(平成7年)秋〜冬頃:各種設備工事の請負契約締結
    • 平成7年第4回定例会にて、室内水泳競技場(仮称)新築工事の「電気設備工事(市第140号)」、「空気調和設備工事(市第141号)」、「衛生設備工事(市第142号)」の請負契約の締結が原案通り可決され、本格的な建設工事が開始された。

4. 開設と「横浜国際プール用地」の正式取得(1998年:平成10年)

  • 1998年(平成10年)4月1日:施設の竣工・開設
    • 平成7年に建設工事を開始し、平成10年春に竣工・開設。同年7月4日に正式に供用開始(開業)された。
  • 1998年(平成10年)夏頃:用地取得にかかる市会決議(市第25号議案)
    • 平成10年第2回定例会および総務企画財政委員会において、港北ニュータウン内に所在する当施設用地の取得を目的とした「市第25号議案(横浜国際プール用地の取得)」が上程され、渡邊財政局長による説明のもと原案可決された。
    • この際にも、磯子区根岸プールの断念(1993年12月)から急遽港北ニュータウンに選定された歴史的経緯が改めて振り返られた。
    • 同年11月に開催される「かながわ・ゆめ国体(水泳競技・シンクロ・水球・バレーボール等の会場)」、および2002年のパンパシフィック水泳選手権大会の開催決定が喜ばれる一方で、利用料金制度の導入に伴い、今後の施設維持管理費や収支の運営についての質疑が本格的にスタートした。

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